ヤルタ体制の終焉 2014 5 18

書名 コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾
著者 江崎 道朗  展転社

 まずは、この本から引用で始めましょう。
現代史の興味深い記述があります。
(以下、引用)
 2005年5月7日、ブッシュ大統領は、ラトビアで演説し、
1945年2月のヤルタ会談での米英ソ三カ国合意について、
「安定のため小国の自由を犠牲にした試みは、
反対に欧州を分断し不安定化をもたらす結果を招いた」と言明し、
「史上最大の過ちの一つ」だと強く非難したのである。
(引用、以上)
 なぜ、ブッシュ大統領は、ヤルタ体制を非難したのか。
それは、ヤルタ体制の「果実」を見ればわかるのです。
 この本によると、
第二次世界大戦後、東欧諸国がソ連の支配下で苦しんだのも、
朝鮮半島が分断されたのも、
中国での国共内戦の激化と共産党政府の樹立も、
日本降伏後のソ連による満洲占領も、
ソ連による北方領土の占領も、
すべて、ヤルタ協定に原因をたどることができるからです。
 つまり、ヤルタ体制は、
ソ連を巨大化し、共産主義中国を作り出し、
東欧諸国を共産主義の支配下に置くことになったのです。
 ブッシュ大統領は、反共ですから、
ヤルタ体制を批判するのは、当然でしょう。
 さらに、ブッシュ大統領は、熱心なキリスト教徒ですから、
無神論である共産主義を批判するのも、当然でしょう。
 つまり、反共でキリスト教徒ならば、
ヤルタ体制を非難するのは、自然な感情です。
 すでに、ヤルタ体制は崩壊していると思います。
冷戦の終結とソ連の崩壊、
中国では、ケ小平が改革開放路線を採用し、
つまり、資本主義システムを導入しました。
その結果、発展途上国だった中国は、超大国への道が開けたのです。
要するに、ヤルタ体制は終わり、新しい世界が始まっているのです。




































































スマートフォンのトップページへ